世界の危険なダム10選 老朽化、不安定な地盤、侵入事件も

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◆7.三峡ダム(中国)

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 三峡ダムは、湖北省の長江に建設された世界最大級の水力発電ダムだ。1994年に着工し、2003年に貯水を開始、2012年に全発電機の運転を完了した。総発電容量は2250万キロワット(22.5ギガワット)で、洪水調節、発電、船舶航行の改善を目的としている。なお、米航空宇宙局(NASA)の研究者が2005年、三峡ダムのように巨大な貯水池が生まれると地球の質量分布が変わり、理論上は1日の長さがわずかに伸びる可能性があるとの試算を示したことでも知られる。

 「危険性がある」と言われる理由は複数ある。まず、巨大な貯水池が周辺の地滑りを誘発・悪化させる可能性が指摘されてきた。実際に三峡貯水池周辺では斜面崩壊や地滑りが問題となり、監視や対策が続いている。さらに、堆積土砂が増えることで洪水調節能力や下流の河床変化に影響が出る懸念もある。加えて、三峡ダムは象徴的な巨大インフラであるため、極端な豪雨や運用ミス、地震など「想定外」の事態が起きた場合の影響が非常に大きい点もリスクとして語られやすい。

◆8.モンティセロダム(アメリカ)

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 モンティセロダムは、カリフォルニア州ナパ郡のプータ川をせき止めて造られたコンクリートアーチダムで、1953〜57年に建設された。貯水池はベリーニッサ湖で、農業用水や都市用水を支える。特徴は「グローリーホール」と呼ばれる朝顔型(モーニンググローリー型)の洪水吐きで、湖面の水位が一定を超えると巨大な漏斗状の排水口に流れ込み、余水を下流へ逃がす仕組みになっている。

 「危険性」が語られるのは、この洪水吐きが観光対象として注目される一方、水流に巻き込まれる恐れがあるためだ。近づくこと自体が危険で、遊泳は禁止されている。1997年には洪水吐き付近で遊泳していた女性が流れに捕まり、排水路に吸い込まれて死亡した事故も知られる。構造上の欠陥というより、増水時に生じる強い流れと人の接近が最大のリスクになっている。

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Text by NewLuxe 編集部