世界の危険なダム10選 老朽化、不安定な地盤、侵入事件も

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◆9.ゴードンダム(オーストラリア)

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 ゴードンダムは、タスマニア州のゴードン川に建設された水力発電用のコンクリートアーチダムだ。1974年に着工し、1980年代前半に運転を開始した。高さはおよそ140メートルで、ゴードン湖という大きな貯水池をつくり、州内の電力供給を支える基幹インフラになっている。

 「危険性」が語られる場合、決壊リスクそのものよりも、建設と運用が自然環境に与える影響が焦点になることが多い。ゴードンダムはタスマニアの原生的な自然の中に位置し、1970年代には下流域のフランクリン川も含めたダム開発計画が社会運動に発展した。結果として、フランクリン川のダム計画は中止され、世界遺産のタスマニア原生地域保全を象徴する出来事として知られる。こうした経緯から、ゴードンダムは「巨大インフラがもたらすリスク」を語る際に、災害よりも環境と社会の側面で取り上げられやすい。

◆10.コントラダム(ヴェルザスカダム)(スイス)

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 コントラダムは、ティチーノ州ヴェルザスカ川にある発電用アーチダムで、別名ヴェルザスカダムとして知られる。1961年に建設が始まり、1965年に完成した。堤高は220メートルで、貯水池のヴォゴルノ湖を形成し、出力105メガワットの水力発電所を支えている。

 「危険性」が話題になるのは、ダムそのものの安全性というより、巨大な貯水による地盤への影響が論じられる文脈だ。一般に大規模ダムでは、貯水による荷重変化が地震活動に影響する可能性(貯水池誘発地震)が指摘されることがある。コントラダムでも、貯水池が満たされた後に水荷重に関連するとされる地震が起きた、という説明がみられる。

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Text by NewLuxe 編集部