ノルウェーは世界第12位の産油国だ。原油は豊かな歳入源となり、先進的な医療や教育インフラの充実に貢献してきた。その陰には、陸地から遠く離れた北海・ノルウェー海で稼働する油田の存在がある。その一つの「ドラウゲン油田」の採掘用プラットフォームは、荒れる海原に巨大な施設が突き出し、まるで宙に浮く要塞のようだ。一種異様な外観を持つこの重要なプラットフォームで、40名超の作業員たちが今日も、24時間体制で作業に当たっている。

◆1本脚のシャフトで安定して支持する
　ドラウゲンの石油プラットフォームは、ノルウェー第三の都市・トロンハイムから約150キロ北西の洋上に位置し、ノルウェー・シェル社によって運営されている。同社が管理するなかで世界最北のプラットフォームだ。いくつものビルを組み合わせたような巨大な構造物であり、海面から突き出た単一のシャフトで支えられている。

　この細いシャフトは一見不安定に見えるが、海底に近いほど太くなる頑丈な構造となっている。インタレスティング・エンジニアリング誌によれば、このプラットフォームの1日当たりの産油量は現在6万3000バレルであり、最大で14万を日産する能力がある。

　シェル社は1987年5月にドラウゲン油田の開発を宣言したが、一見して不安定にも思える現在の設計に至るまでには、紆余曲折があった。初期の構想では浮遊式を含む4つの基礎形態が検討され、このうちシャフトで支持する方式が最終的に採用された。シャフトの数も入念に検討された。当初は複数のシャフトで支持する案も存在したが、単一のシャフトが最もコスト効率が良い。そのうえ、1本から4本までのシャフトについて検討した結果、事故のリスクが単一式と複数式とで大きく変わらないことが判明した。こうして現在の形態が採用された。

　ノルウェー石油エネルギー省などが運営するウェブサイト『ノルウェジアン・ペトロリアム』によると、このプラットフォームは1993年に生産を開始している。ノルウェー石油博物館は、プラットフォーム頂部の構造物は重量2万2000トンにも達すると紹介している。貯蔵設備は海底の基底部に設けられており、最大100万バレルの原油を貯蔵する。原油はこのタンクから2本のパイプラインを通じて浮遊式のブイに移送され、その後タンカーに積み込まれる。

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