レアアース埋蔵量、世界で最も多い国は? 地政学的リスク、日本の取り組み

ガドリニウム|LuYago / Shutterstock.com

◆日本は南鳥島周辺の海底資源開発を急ぐ
 中国への依存リスクを低減すべく、日本も独自の道を模索している。日本は現在、中国からレアアースの約6割を輸入しているが、経済的な安全保障の観点から、国産化への取り組みを本格化させた。南鳥島(東京都小笠原村)沖の排他的経済水域(EEZ)内の水深6000メートル地点で、レアアース泥(凝縮したレアアースを含んでいる深海の泥)を産業規模で開発する世界初のプロジェクトが動き出している。

南鳥島|Chief Master Sergeant Don Sutherland, U.S. Air Force / Wikimedia Commons

 プロジェクトには9府省4国立研究機関が参画し、政府が一体となって大学や企業を巻き込みながら推進している。

内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の石井正一プログラムディレクターはニュースイッチの取材に対し、「世界第6位の海域を保有する海洋国家である日本にとって、安全保障上重要な海の利活用に取り組んでいきたい」と意気込みを示している。この取り組みが成功すれば、日本のレアアース自給率は大きく向上する可能性がある。

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Text by NewLuxe 編集部