レアアース埋蔵量、世界で最も多い国は? 地政学的リスク、日本の取り組み

ガドリニウム|LuYago / Shutterstock.com

◆75年分を入手できる可能性も レアアース確保への取り組み
 同様に、中国依存からの脱却を目指す動きは世界各国で加速している。フィナンシャル・タイムズ紙によると世界の国々は、オーストラリアのライナス社が主導する、中国の重レアアース支配から脱却する試みに注目している。同社はマレーシアの処理施設を拡張し、2025年半ばまでにジスプロシウムとテルビウムを生産する計画だ。

 海底資源にも大きな可能性が秘められている。日本近海には多様な海底金属資源が埋蔵されており、日本財団と東京大学の調査では、南鳥島近海の有望海域におけるマンガン団塊の存在量は2.3億トンになるという。

 含有するコバルト資源量は日本の年間消費量の約75年分以上に相当し、ニッケルは約11年分以上の資源量が見込まれる。こうした海底資源開発が実を結べば、レアアース供給の地政学的リスクを大きく軽減できる可能性がある。

 地政学的リスクの抑制に向け、世界各国が対策に動き出している。

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Text by NewLuxe 編集部