ビリオネア:有閑階級のための、華やかで強気なコレクション
値札は見ずにクオリティを重視する男性をターゲットにしたブランド、ビリオネアを引っさげて、フィリップ・プレインがミラノに帰ってきた。
フォーシーズンズホテルで行われたビリオネア2023年春夏コレクションのプレビューで、プレインは「ビリオネアは強い名前ですし、私が生み出した言葉ではありませんでしたが、それを完全にものにできていると思います。このラグジュアリーメンズウェアというセグメントには、大きな需要を感じています」と述べている。
プレインはパンデミックによる打撃を受けて以降、戦略的かつ独創的なブランド再生に取り組んでいるが、そこで完全な支配権を獲得するため、ビリオネアの創立者でF1の管理職を務めたこともあるフラビオ・ブリアトーレなどパートナーを買収するという大胆な行動に出た。
新たなコレクションは、映画『グレート・ギャッツビー』に出てくるロングアイランドの屋敷に集まるような、またはリビエラ海岸のポルトフィーノでクルージングパーティーを楽しむような、カラフルでダンディな男性に向けたものだ。
階下の中庭に登場したビリオネアのモデルは、大半がブランドのターゲットである白髪交じりの高齢男性で、有閑階級のための強気なルックを披露した。スーツにはブライトグリーンやピンク、または派手なネイビーとホワイトのストライプを採用するなど、ブライトカラーを多用。アイボリーとホワイトのリネンのバミューダパンツのセットアップや、スリーピーススーツで落ち着きを加えた。
プレインは「若者をターゲットにはしたくないです。我々は、自分の年齢を誇りに思うべきだと思います」と話している。
グリーン、レッド、ブルーを背景にレモンがプリントされたビリオネアの最新作を着たジャズグループが、夜のショーに訪れたゲストを迎えた。マルチカラーのストローハットが、ルックを洗練させている。
「普段はこのような恰好はしないんです」と、演奏中のギタリストが打ち明けた。
By COLLEEN BARRY AP Fashion Writer
Translated by t.sato via Conyac