ドルチェ&ガッバーナ:過去の作品に光を当てる
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ドメニコ・ドルチェ氏とステファノ・ガッバーナ氏が発表したコレクションは「リエディション」と題され、ブランドのアーカイブに目を向けたものであった。過去の作品からインスピレーションを得たものであるが、現代にマッチするテイストとなっている。
まるで過去をすべて水に流すかのように、白色タンクトップにブリーフ姿のモデルが裸足で登場し、ショーがはじまった。ダメージ加工の入った素材にテーラードアイテムを合わせるなど、ハイローコーディネートを前面に出した。ブランドの定番アイテムでもあるレーストップはバックにかすれ加工が施されるなど、ドレッシーな素材をうまくストリートウェアに取り入れてスタイリングしている。擦り切れたジーンズにブラックジャケットとウエストまでボタンを外したホワイトシャツがコーディネートされている。リエディションの作品にはすべて、オリジナルが初めて発表された年と、それがアップデートされた2023シーズンを示すラベルが各アイテムにつけられ、いまと昔を証明している。
パッチワーク仕様のデニムには、ひときわ熱い視線が注がれた。デニムジャケットから作られているようなニーハイブーツと、パッチワークが施されたショートパンツから成るコーディネートで、足がその間からわずかにのぞく。肌ざわりのよい白のテリートラックスーツから代わって登場したのは、ドルチェ&ガッバーナではお馴染みの派手やかなスタイルだ。クリスタルが散りばめられたローズ柄ジャケットに、切り裂き加工のあるホワイトジーンズとラインストーンで装飾されたベルベット素材のスリッポンがコーディネートされている。フットウェアは、もこもこのスリッポン、キャンバス地もしくはマクラメ編みでレース紐のついたスニーカーなどが披露された。
「彼らの自由な表現が大好きです。メンズ向けにも躊躇しない色使いや素材、デザイン選び。なかなか出会えるものではありません」と話すのは、スタイリストのアプジェ・カル氏。NFLでクウォーターバックを務めるタイロッド・テイラー選手、NBAのルディ・ゲイ選手、ジャレン・ジャクソン・ジュニア選手、コーリー・キスパート選手と並び、最前列でショーを観覧していた。
By COLLEEN BARRY AP Fashion Writer
Translated by Mana Ishizuki