ルイ・ヴィトン パリ・メンズコレクションでデジタル時代をけん引

Thibault Camus / AP Photo

 ルイ・ヴィトンは1月19日、パリで「デジタル時代」をテーマにドラマチックなメンズコレクション・ショーを開催した。サングラスにフード付きのジャケットをまとった歌手のロザリアが、1980年代の黄色いヴィンテージのセダンの上に乗り、サプライズで登場。ゲストを驚かせた。

 ジャンルにとらわれないスペインのスターは、ランウェイでコレクションが披露される間、しびれるようなソウルフルなパフォーマンスを披露。『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー監督が制作に加わり、自身の幼少期をもとにしたセットの内外を縦横無尽に動き回った。

 グラミー歌手のロザリアは、J.バルヴィン、アッシャー、キット・ハリントン、ジェイホープ、ルシアン・ラヴィスカウントなど、歌声に圧倒された様子のセレブの周りを行き来し、圧巻のパフォーマンスには全員から惜しみない拍手が送られた。

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 2021年にヴァージル・アブローが他界して以降、ルイ・ヴィトンのメンズ・スタジオがブランドの創作活動を率いてきた。

 しかし19日、ルーブル美術館の最も歴史ある中庭に古き良き幼少時代の家を再現したセットは、アブローの2018~2021年におけるルイ・ヴィトンでの活動を象徴する新時代の到来をコンセプトにしたスタイルを踏襲していた。

 今シーズン、スタジオの若いチームとゲストデザイナーのコルム・ディレインは、「スーパーコネクティビティの時代を生きる最初の世代の一員として」成長する上での指針を示した。クリエイティブでテーラードスタイルを重視したコレクションには、デジタル時代についての表現が多く見られる。シンプルに抑えたルックが、ひときわ輝きを放った。

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 コンピューターの暗号化コードを思わせるパターンがある一方で、いまの世界では時代遅れとされる手書きのメモがアップサイクルされ、表面がすべて便せんでできている超現実的なホワイトのスーツとシルクハットに生まれ変わった。

 肩に丸みを帯びたウールのコートはそれだけで美しいのに、ピクセルで構成されたリンゴが描かれているなど、ギミックに依存しているように感じられる部分もあった。

 最も素晴らしかったのは、ミニマルルックだ。ライトグレーのスーツジャケットには、子どもらしさを感じさせる大きなボタンがひとつ。折り重なった生地が絶妙な動きで揺れる構造の巧みさもあって、美しいV字型のテーパードシルエットが目を引いた。

By THOMAS ADAMSON AP Fashion Writer
Translated by t.sato via Conyac

Text by NewLuxe 編集部