ヴェルサーチ:バロックをポップに表現
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次世代へ想いを寄せるヴェルサーチは、ブランドを象徴するメドゥーサをアニメーション化し、イメージを一新した。アイコンはシルク生地に総柄プリントされ、まるでエネルギーが溢れているようだ。ポップ・バロックというべきか。
メンズウェアに復帰したドナテラ・ヴェルサーチ氏は、楽しさと独創性の詰まったコレクションを発表した。ミラノ中心部にあるファッションハウス本社の中庭にて、カラフルで熱意あふれるショーが開催された。鏡張りの柱が煌びやかに回転し、古典主義様式の彫像を映している。
ヴェルサーチは地球が抱える問題を懸念する若者世代に同調し、エキゾチックスキンの代わりに、ネオンカラーをアクセントに入れたパイソン柄のプリント生地をトレンチコートやパンツに起用した。それに合わせてコーディネートされたのは、ピンストライプが目を引くオーバーサイズのアイテムだ。エコでサスティナブルなラテックス素材がレザーに代用され、格子柄の繰り返しパターンが通気性を十分に備えるようデザインされている。
オーバーサイズのシルエットは、鮮やかなサーモンやレモンイエロー、オレンジで彩られ、ポップな印象を与えていた。次世代のヴェルサーチを象徴するように、シルク調のシャツにはクラシックな胸像のアイコンがにぎやかに描かれている。
今回、ヴェルサーチ・マンは新たにデザインの領域を融合させた。ヴェルサーチ・ホームコレクションが所蔵する貴重なアイテムをショーに取り入れ、モデルたちは高価な壺を持って歩いたり、ベルトにティーカップのチャームを付けたり、スプーンを曲げて加工したブレスレットを身につけたりしていた。
意中の観客層に訴えかけようと、ランウェイにはかつてヴェルサーチで活躍したマーク・ヴァンダールーやヘレナ・クリステンセン、カーラ・ブルーニなどが登場した。
By COLLEEN BARRY AP Fashion Writer
Translated by Mana Ishizuki