20個のうち何個読める?「蒲公英」「労る」「英吉利」…当たると嬉しい漢字クイズ

日常的に使う言葉のなかには、漢字で書くと難しいものが潜んでいる。今回は20の難読漢字を挙げてみた。一見して難しい熟語だが、ほとんどの言葉は一度は口にしたことがあるはずだ。いくつの読みを的中することができるだろうか?

◆第1問:蒲公英

かわいらしい植物だが、漢字になると意外と手強い。読みは「ほうこうえい」でも正解。たんぽぽは早春に花開き、花が枯れると綿毛の姿になって種を飛ばす。
夏の間は目につかないが、地下には根が残っており、秋ごろに再び新しい葉が育つ。「蒲公英」の難しい漢字は、幾田りらさんが歌うNHKドラマ『大奥』の主題歌名としても有名になった。

◆第2問:山葵

日本の清流で育つ多年草だ。根の部分は薬味となり、豊かな香りと刺激を持つ。味からは想像もつかないが、アブラナ科の仲間だ。わさびの語源は未詳だが、鼻に抜ける風味を表現した「わるさわりひびく」に由来するなどの説がある。

◆第3問:灰汁

灰汁には複数の意味があるが、よく知られているものは調理中に肉などから発生する濁った成分だろう。ほか、植物の灰から取れる上澄み液も指す。邪魔者扱いされがちな鍋の灰汁とは異なり、こちらは古来、洗剤や染料などとして意図的に作られている。

◆第4問:筍

たけかんむりがヒントになっただろうか。竹の若い芽のことで、「雨後の筍」ともいうように、4月頃に一斉に生えてくる。スーパーで買う際は、穂先が黄色で閉じているものを選ぼう。開いたり緑になったりしているものは日の光に当たっており、中身が硬くえぐみの強い場合が多い。

◆第5問:跪く

身をかがめ、地に膝をつく動作をいう。神前や王の前などで、敬意を示すため行われることが多い。あしへんに「危」だが、「つまづく」ではない。そちらは「躓く」と書くのが正解だ。

◆第6問:翌檜

ヒノキ科の常緑樹で、大きいものでは高さ10メートル以上に成長する。ヒノキには及ばずとも大きく育つことから、成長する若者のイメージにも重ねられる。一般的にヒバとも呼ばれ、建材としても有名だ。

◆第7問:蜻蛉

トンボは大きな複眼と平行状の羽が特徴だ。昆虫採集に興じた経験のある人も多いのでは。「せいれい」でも正解で、こちらはトンボの別名。「かげろう」と読むこともできるが、この場合はトンボとは別の昆虫を指す。

◆第8問:鼾

語源に諸説あるが、「息響き」から転じたという説が有力のようだ。熟睡を意味する「高いびきをかく」などポジティブな用法もあるものの、実際のいびきは睡眠時無呼吸症候群のサインであることもあるので注意したい。

◆第9問:栗鼠

ふっくらとした尻尾を持つ、言わずと知れた小動物。もともと「りっす」と読んでいたものが変化しリスになった。「くりねずみ」でも正解で、こちらもリスの別名だ。

◆第10問:吃驚

驚くこと。小説では「吃驚する」などの形でよく登場するため、きちんと読めた方も多いのでは。「喫驚」とも書く。どちらの場合も、「きっきょう」と読んでも差し支えない。

◆第11問:霰

冬場に降る粒状の氷のこと。「雹(ひょう)」と混同しがちだが、気象庁ではおおむね直径5ミリまでのものを霰、それ以上の大きなものを雹と呼んでいるようだ。和菓子のおかきの小型版である「あられ」も、同様に「霰」の字を使う。

◆第12問:鯱

マイルカ科のずんぐりとした哺乳類で、白と黒のコントラストがトレードマークだ。体重は成体で8トンにもなる。読みは「しゃちほこ」でも正解。こちらは城の天守などに使われる装飾のことで、名古屋城の金のしゃちほこが有名だ。

◆第13問:涎

口からの分泌液のほか、一般に粘り気のある液体も意味する。「垂涎」などの形でも使われるが、こちらも難読の熟語だ。「すいぜん」と読み、食べ物を欲しがってよだれを垂らすことや、強く欲しがることを意味する。

◆第14問:労る

「けが人を労る」など、立場の弱い人に親身になって接したり、介抱したりすることを意味する。また、「参加者を労る」と言えば、労を認めてねぎらうという意味となる。

◆第15問:烏賊

強調のための接頭語である「い」に、食用動物を意味する「か」が加わり「いか」になったとする説がある。漢字の「烏賊」は、中国の故事に由来する。海面で死んだふりをしたいかが、飛来した「烏(カラス)」を「賊」のように襲ったという。

◆第16問:啄木鳥

木を穿つ習性のある鳥のことで、「木突き」に由来する。きつつきは平安時代に「てらつつき」と呼ばれ、江戸時代まで「けらつつき」とも呼ばれていた。今でも「コゲラ」など、「ケラ」で終わるきつつきの種名が多く残っている。

◆第17問:慮る

状況を熟考したり、相手の気持ちを察したりすること。「思い量る」から転じた。昨今あまり良い意味で使われない「忖度(そんたく)」も、もともとは相手の都合を推し量るという「慮る」行動の一つだ。

◆第18問:馴鹿

「じゅんろく」でも正解。シカ科の哺乳類であり、一般的なシカよりも大型だ。雌雄両方が大ぶりな枝状の角を持っている。サンタクロースの相棒として有名だが、実際に北極圏では荷物の運び役を担っている。

◆第19問:直に

「じきに」「ただちに」でも正解。いずれも「時をおかずに」の意味だ。地方によってもニュアンスに差があるが、「じきに」と読む場合は「すぐに」「ただちに」よりも若干の間を伴うことが多い。「じかに」も正解。こちらの場合は、間に別の人や物をはさまず直接に、の意味となる。

◆第20問:英吉利

新聞などで「英」といえばイギリスのことだが、省略せずに書くと「英吉利」となる。イギリスはグレートブリテン島とアイルランド島北部が有名だが、付属の島々を含めると約900島にもなる。ちなみに「米」と略するアメリカは「亜米利加」、「加」のカナダは「加奈陀」という表記だ。

Text by NewLuxe 編集部