世界で最も「価値ある」観光都市ランキング トップ10に日本の都市も
海外旅行の再開ムードが盛りあがるなか、世界の国の人々はどのような旅行先を選んでいるのだろうか。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、世界の観光都市力ランキングの2022年版を発表している。トップ10には東京の名前も挙がっているようだ。
調査は英調査会社のオックスフォード・エコノミクスと共同で行われ、VISAが後援した。旅行者による支出額、政府などによる観光客誘致のための投資額などをもとに、対象82都市の旅行・観光業の国内総生産(GDP)への寄与額を試算し、都市ごとの「観光力」をランク付けしている。
◆10位:広州(中国)
豊かな文化で知られる中国南部の大都市・広州は、2200年の歴史を誇る。「花都(花の都)」の愛称で親しまれているほか、近年では中国有数のダイナミックな変化を遂げている都市でもある。
夜空に色鮮やかに輝き、世界屈指の高さを誇る広州テレビ塔や、珠江から美しい都市の姿を望むナイトクルーズ、そして歴史の重みを感じる霊廟の陳氏書院(通称・陳家祠)など、見所が満載だ。
◆9位:ロンドン(イギリス)
ロンドンの街はローマ人によって築かれ、西暦43年から統治が行われてきた古い歴史を持つ。9世紀のヴァイキング襲撃など波乱の時代を経て、欧州の交易の拠点都市に成長した。
かの有名なビッグ・ベンや市街を一望する観覧車のロンドン・アイ、それに幾多の収蔵品を誇るナショナル・ギャラリー(国立美術館)など、必見の名所がテムズ川流域に広がる。
◆8位:メキシコシティ(メキシコ)
メキシコの首都であるメキシコシティは、西半球で最も人口の多い都市圏の一つだ。紀元100年頃からの先住民族を皮切りに、さまざまな文化が入れ替わり繁栄してきた。アステカ時代のメキシコシティは、湖に浮かぶ人工島の上に栄えている。
音楽と魅力的な食文化で知られる現代、西半球最大の大聖堂や歴史地区、無数の博物館・美術館が観光客を引き寄せている。世界遺産であるテオティワカンのピラミッドも必見だ。
◆7位:東京(日本)
およそ400年前に徳川家康が江戸幕府を開いて以来、江戸の名で発展が続いてきた。18世紀半ばには人口100万人を突破する巨大都市となっている。関東大震災やバブル経済など激動の時代を経て現在に至る。
歴史を感じる明治神宮に浅草寺から、近代的なスカイツリーやブランドで賑わう銀座の街まで、多様な見所が集結している。
◆6位:ニューヨーク(アメリカ)
18世紀の独立宣言当時から存在した13の州の一つで、1960年代までは人口・文化・経済などほぼすべての指標で全米一の州であった。西海岸の勢いが増す現在でも、依然として全米トップレベルの州の一つだ。
市街中心部ではマンハッタンの摩天楼やブロードウェイ、自由の女神などが魅力を放つ。2021年には水面に浮かぶユニークな公園のリトル・アイランドがオープンした。
◆5位:ラスベガス(アメリカ)
20世紀初頭まで非常に小さな町であったラスベガスは、鉱山王のウィリアム・クラーク氏が鉄道を敷設したことが契機となり、大きな発展を遂げた。1905年には同氏が町で初めてのカジノをオープンしている。
現在ではカジノやホテル、サーカスに各種ショーなどが集い、エンターテインメントの一大集積地として知られている。
◆4位:上海(中国)
唐の時代から港町として栄えてきた上海は発展を続け、1853年には中国最大の港を擁するまでになった。古くはアヘン、絹、茶などの貿易で賑わい、世界の富裕層を集めてきた。
球形の展望台が珍しい上海タワーに、小籠包や上海蟹などの名物料理など、見所が尽きない。水郷の町を小舟でめぐる朱家角鎮の地区も人気だ。
◆3位:オーランド(アメリカ)
入植者がネイティブ・アメリカンの攻撃から逃れるため、小さな砦を建設したことが町の発端となった。
現代では2つの巨大テーマパークが立地し、ウォルト・ディズニー・ワールドとユニバーサル・オーランドが世界のテーマパーク・ファンたちをひきつけている。街からはケネディ宇宙センターへの日帰りツアーも可能だ。
◆2位:北京(中国)
北京は中国四大古都の一つに数えられ、約3000年の歴史を持つ。世界の古都のなかでも、特に古くからの景観がよく保存されていることで評価が高い。
世界遺産の紫禁城や万里の長城など、現代に残る著名な建築物を訪れることができる。
◆1位:パリ(フランス)
4世紀にはすでにパリの名で呼ばれ、以来、政治や学問、商業の要衝として賑わいを見せてきた。貧困に苦しむ市民が繰り返し蜂起し、多くの革命を生み出してきた歴史でも知られる。
今日では言わずと知れたエッフェル塔や、世界遺産のセーヌ河岸を望むクルーズ、そして屈指の名店でのグルメにルーブル美術館探訪など、多くのアクティビティで世界の観光客を楽しませている。